精密機械部品・半導体部品制作など、長野県の丸モノ専門の製造会社

営業部より㊳

営業部塚田です。今回は薄物加工品(板)の紹介をさせて頂きます。↓

全貌を載せることは出来ないのですが、厚み4mm・全長540mmほどのアルミ材にザグリ穴を空けたり、斜めに削ったりしたものです。

この加工を行う上でまず難しいのが、アルミ材なので柔らかく、また厚みも4mmしかなく薄い為セットがしにくい。加工者も1工程目で穴加工をする際、いつも通りセットしようとしたが中心が盛り上がってしまいうまく加工が出来なかったようです。

そこにプラスして苦労したのが斜めの削り加工。これは↓のような冶具を作成して加工を行いました。

こちらの冶具も初めから上手く作成出来た訳ではなく、何度も修正をし、この形に仕上げたそうです。修正例を1つ挙げると、製品の穴部分を冶具の(写真丸印部)ネジで留めて使うのですが、製品自体が薄い為、ネジを強く留めると歪んでしまっていたそうです。そこで写真四角印の小さな板をネジの下につけて製品を留めることで、力の加わり方が変わり、歪むことなく斜め加工が出来るようになったそうです。

最初は冶具を使用しても斜めの部分が均等にならなかったり、ネジ下に小さな板ではなくワッシャ作成してつけてみたが途中から製品が冶具から浮いてしまいうまく加工が出来なかったりと全く進まなかったそう。加工者自身もこのような加工をするのが初めてで何日も悩んでいたようです。

ですが、他の社員にも相談し、色んな方法を考え助けてもらいながら加工をやり遂げることが出来たのでいつも以上の達成感と周りへの感謝が生まれたと話していました。また、1つの製品で様々な加工方法を覚えることが出来た為、技術的にも成長できて嬉しかったとも言っていました。本人の心に残っているのが難しい加工で苦労をした製品だから、という感情だけではなく自分が諦めずに最後までやり遂げられたこと・成長出来た嬉しさ・そして協力してくれた仲間への感謝、このような前向きな感情があったと聞き私は素敵だな、と感じました。

今回加工者からこの製品の話を聞き、薄物加工に関して皆様にご紹介したかったのはもちろんですが、加工方法だけでなく製品を通して生まれた想いを知れたので、私自身非常にいい機会になりました。普段ゆっくり加工者の想いを聞く機会は少ないのですが、これからもっと色々な話を聞く時間を増やしていけたらと思います。