営業部塚田です。今回は弊社の自動盤で加工した製品をご紹介いたします。
↑上記はM8×P1.25有効長80の雄ネジ加工を自動盤にて行いました。
加工者曰く、このような長いネジの加工は自動盤でやるのが難しいそうです。何故かと言いますと・・
NC旋盤ではコレットという工具を使い、ワークをつかんで加工を行いますが自動盤ではガイドブッシュという工具を使ってワークをつかみます。ですがこのガイドブッシュ、コレットに比べて全体の長さが短い!
↑これが実際の工具の写真です。長いほうがNC旋盤で使うコレット、短いほうがガイドブッシュです。
え、短いと何が問題なの?というところですが、このコレットの長さによって1回に加工が出来る長さが決まってしまうのです。つまり、長いネジの加工を自動盤で行うとなると、①少し削ってネジ加工→②ワークを引き出してまた少し削ってネジ加工→③更にワークを引き出して少し削ってネジ加工、という動作を繰り返し行う必要があります。この一連の動作を行っていると一気にネジの加工を行える訳ではない為、ネジ山の高さがずれていってしまう可能性があります。そこをずれないよう上手く計算し、加工をしていくのが大変な作業なんですね。
じゃあNC旋盤で加工したらいいのでは?と思いますよね。ですがNC旋盤は加工する部分をすべて突き出して加工を行う必要があります。この製品の場合、ネジの加工部分が長いため突き出しも長くなります。そうなると加工時に回転がかかった際、ワークが振れてしまい寸法が安定しないのです。
それに比べて自動盤は加工をしながら材料を出せる為、加工部分が長くても少しずつワークを出しながら加工ができるので手間はかかりますが安定して寸法を出すことが出来ます。
このように弊社では自動盤、NC旋盤、マシニングセンタ、円筒研磨機、それぞれの機械の特性を活かしながら、製品にとって最善の方法を考え加工を行っております。もちろん見た目の仕上がりだけでなく、お客様の使用用途に応じて使用しやすい製品をご提供するための加工方法も一緒に考えさせて頂きますのでお声掛け頂けると嬉しいです。宜しくお願い致します。